【第1回】好きな相手と観てはいけない珠玉の映画2本立て

まとめ

 

加藤広大加藤広大

【第1回】好きな相手と観てはいけない珠玉の映画2本立て

得意な物真似は『ドラッグストア・カウボーイ』のウィリアム・バロウズ。広大です。

 

休みの前日、気になる相手とお食事デート。お酒が五臓六腑に染み渡り、八面六臂にトークも弾み、ふと「好きな映画」の話になった時、待ってましたとばかりに

「それじゃああれかい? 今からうちに来て映画でも観ようよ、なんてったって明日は休みなんだから、ほら、ゆっくり朝寝もできるしね」

 

というのはよくある話であり、ごくごく自然な流れである。

ここでチョイスする映画はとても大切で、今後の2人の人生は映画如何で左右されるといっても過言ではない。

 

そこで今回は数々の信頼と実績を持つ私が、実体験から導き出した、好きな相手と観てはいけない珠玉の映画を、豪華2本立てで紹介したいと思う。

 

デレク・ジャーマン『BLUE』

奇才、デレク・ジャーマンはイギリスの映画監督。さらに奇才なケン・ラッセルの元で美術スタッフを勤め、映画監督の道へ。その後だいぶアレな作品を撮り続けた。

 

デレク・ジャーマンの遺作となってしまった本作『BLUE』であるが、良い感じになった2人が観る映画としてはオススメできない。もし、ジャケットの美しい青に惹かれて本作を借りてしまったのなら、君は完璧にギルティである。見始めて5分もすれば異変に気付くだろう。そう、『BLUE』は

75分間ずっと画面が青一色なのである。

その間、一切の画面の切り替わりはない。

バックでは詩等が朗読されているが、異国の言葉だ。

これを解せるほど、本作の制作背景やデレク・ジャーマンという人物に精通していればよいが、それはそれでどうかとは思う。

 

私はこの映画を当時付き合っていた彼女に見せたところ、画面を食い入るように見つめて、青の世界に没入していったので「ああ、この子結構アレだな……」と若干後悔したことがある。どういう反応をするにしろ、どちらにせよあまり得をしないというところが、かなりの高得点である。

 

ランス・マンギア『シックス・ストリングス・サムライ』

1998年にアメリカで公開された荒唐無稽なSFアクション映画。荒野を舞台に繰り広げられる何とも言えないストーリー展開が、ある意味世紀末感を加速させる名作

 

『マッドマックス』とマカロニ・ウェスタンを足して2で割り、主人公をボ・ディドリーにした挙げ句、『子連れ狼』の要素を取り入れ、『エルマリアッチ』を内包しながらも『座頭市』のエッセンスを組み合わせるという、例えるなら一つの要素で完結している丼物を複数頼みまくった挙げ句、その実腹はそんなに減っていなかったので、大量の丼を目の前に収拾がつかなくなったといったところだろうか。

とはいっても正直、これを書いている私もよく分からない。奇天烈SFアクションの傑作である。肝心のストーリーも安心、安全の荒唐無稽っぷりである。簡単に説明すると

ソ連がアメリカを占領し、残された最後の自由の砦「ロスト・べガス」キング・エルヴィスによって統治されている。

キング・エルヴィスの死後、新たなキングを目指す多くの無法者(ロックンローラー)達は「ロスト・べガス」を目指す。

黒ぶち眼鏡をかけた主人公バディも、彼のギター「ホローボディシックスストリング1957年モデル」と、道中助けた子供と共に荒野をさすらう。

悪の化身デスとの対峙、荒野に流れるロカビリー、旅を続けた先でバディは……

といった具合である。非常に安易なネーミングセンスが光り、取って付けたようなストーリー展開はここまで来るとある意味サムライ魂を感じずにはいられない。徹底的にB級映画の様式美を貫いた本作であるが、仮にカップルなんぞで観てしまった場合、観賞後に

「ああ、時間を無駄にしたな……」

という、なんともいえない空気が2人を包み込むだろう。そこは荒野である。嗚呼、裕福の飢餓。

もちろん私はこの映画が大好きなので、2時間にわたるアツいプレゼンテーションを、休憩を挟みながらも繰り広げたところ、息があがっている私に向かって「オチが解ったから観なくていいや」と言われてしまったことがある。自分が好きな物は他人も好きとは限らない。気を付けよう。

 

おわりに

このように、よさそうな映画でも中身がアレ、というのは世の中非常に多い。映画も人間も、外見だけでは分からないのである。素敵な時間を台無しにしないためにも、細心の注意を払って映画をチョイスしてほしい。

しかし、今回紹介した映画は、このシチュエーション以外ならば最高にオススメの映画である。ぜひとも、できれば一人の時にゆっくりと、味わいながら鑑賞して欲しい。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。それではまた。

 

画像取得元:ブログ用の写真検索さん

 

この記事が気に入ったらいいね!しよう

エンタメウス

最新の記事をFacebookでお届けします

この記事を書いたライター 他のライターを見る

加藤広大

加藤広大

都内在住のグラフィック、エディトリアルデザイナー。その他シルクスクリーン、オカルトグッズ制作、悩み相談から猫探し等で日銭を稼いでいる。 齢三十にして「どうやら食えてない」事に気付き、煙草銭と飲み代欲しさにライターに応募した所「書いても良いよ」と言われたので書いているのだが、伝えたい事が無い。【facebook】【仕事の一部】

このライターの記事一覧へ

関連する記事

シェアランキング

トピック

IMPRESSION

ページトップへ